2015年12月21日

神奈川県立精神医療センターの加藤と申します。
平成27年11月18日から22日まで台湾の台北で行なわれました、WPAIC (World Psychiatric Association Internatinal Congress)に参加して参りましたので報告致します。

 

55カ国から2149人の精神科医が集まり、日本からは台湾に次ぐ数の医師が参加しました。
タイ、インドネシア、台湾の児童精神科医の先生方と、「アジアにおける児童思春期精神科研修」と題してシンポジウムで発表をしました。日本語も含めて初めての共同座長を務める機会もいただきました。

 

・精神科研修システムのあるアジア14カ国のうち、研修期間中に児童精神科研修が必須でないのは日本とベトナムだけ。
・先進各国の中で、児童精神科医の数が極端に少ない。
・児童精神科研修システムが確立されていない。関連6学会のうち4学会が専門医もしくは認定医のシステムをもっており、専門医・認定医が乱立している。そのために、この分野に興味のある学生や研修医はどのようなキャリアを積めばよいか分からない。

 

という現状がある中、私はどのようにキャリアを進めてきたのか、日本がどのように変わってきており、2017年からの新専門医制度でどうなるのか、という話をさせていただきました。
座長も無事に務めることができ、ディスカッションも何とかこなすことができました。
他の国の、日本よりもずっと整った児童精神科研修を聞き、非常に刺激を受けました。
そして、今回のシンポジウムのメンバーを中心に、アジアの若手児童精神科医のグループを作ろうという話につながり、動き出しています。

 

CADP (Course for Academic Development of Psychiatrists) に参加して、発表の仕方、質疑応答の仕方、座長の仕方などを学んでいなければとても経験できなかったことです。
今回、一緒に発表した先生方とはCADP、そして今年、CADPとジョイントしていたアジア精神医学会で知り合いました。
2年前に日韓若手精神科医合同研修会に参加して初めて英語で発表し(この時は原稿棒読みで、質疑は片言で単語を並べたひどい英語でした)、去年と今年のCADPに参加して、今回、自分でも想像していなかった得難い経験を得ることができました。

 

最初のきっかけを作って下さった横浜市立大学の青山先生、今回の発表内容について御示唆を下さったJYPO理事長の久我先生に感謝申し上げます。

 

神奈川県立精神医療センター

加藤 秀一

2015年12月20日

JYPOは地域の活性化を目指し、日本各地で活動を行っております。

この度、去る平成27年12月5日に関西地区CADP regional meetingが関西医科大学にて開催され、滋賀医科大学精神科の角幸頼先生よりご報告をいただきましたので、下記の通りご紹介いたします。

 

【以下、滋賀医科大学精神科 角先生より】

 

まず、15th CADP 代表である飯田仁志先生より、JYPO と CADP についてご紹介いただきました。

オーラルプレゼンテーションでは、藤田保健衛生大学の大矢一登先生と私が発表させていただきました。発表スライドの見せ方や、図の効果的な使い方、シェーマの示す意味など、普段意識できていなかった点について的確なアドバイスを多数いただきました。大矢先生も私も 15th CADP でオーラルプレゼンテーションの機会をいただきましたので、この経験を生かして頑張りたいと思います。

 

ポスタープレゼンテーションでは、京都大学の中神由香子先生、滋賀医科大学の河村葵先生より発表がありました。多数のポスターの中から、どうやって注目を集めるか?内容を読んでもらうようなデザインや構成について、中神先生より、Norman Sartorius先生直伝の極意を教えていただきました。河村先生は研修医1年目ですが、高知大学の学生時代に研究されていた内容に関して発表していただきました。

 

次にJYPO OBの藤本美智子先生(大阪大学)より「JYPOで過ごした6年間」というタイトルでご講演いただきました。藤本先生の「統合失調症の研究をしたい」という思いから大阪大学に移られたというエピソードには、大変勇気づけられました。私自身まだ将来が不明確で時おり不安な気持ちになりますが、藤本先生の熱心さ・パワフルさを見習って日々精進していきたいと思いました。

 

最後に、スモールグループワークとして「身近な家電のプレゼン」が行われました。洗濯機や掃除機など、身近な家電が世間に初めて登場した時、どうプレゼンするか?について4人ずつのチームで、いかに魅力的にプレゼンできるかを競いました。その家電が登場するまでの問題点は何か、家電により何が改善するか、副次的な効果は何か、その家電の問題点はないか、記憶に残るフレーズを作れないか…、など、プレゼンの本質に迫るグループワークであったと思います。

 

今回、多数の先生方や学生さんと交流することができ、大変よい刺激を受けました。最後になりましたが、この会を企画していただいた増田史先生と、貴重な場所を提供して下さった関西医科大学の先生方に感謝申し上げます。

 

滋賀医科大学精神科 角 幸頼

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